2011年06月18日

創作鋏('11年6月・5寸・2日目)

さて、おなじみの週末鍛冶修業。
前回、コチラ↓で
http://uinversal.seesaa.net/article/206724054.html
紹介したものの続きですな。

2日目のこの日のメインとなる
作業は“焼入れ”です。
以前、コチラ↓で
http://uinversal.seesaa.net/article/198675983.html
紹介したことがあるように
高柳師匠んちでは高熱で溶解した
鉛を使って行います。
下の写真が師匠の作業風景ですな。
10620-1.JPG 10620-2.JPG
さて、私めが製作しております
今回の「創作鋏」、前回も言ったように
“黒造り”で仕上げてみようかと
思っている次第です。
では黒造りとはなんぞやというのを
ちょっとご説明させていただきますと
“黒打ち”とも呼ばれる
製作方法でして。
鉄は火造りしてすぐの状態ですと
表面に酸化膜という黒い膜が
残っております。
これを本来であれば、グラインダー
で削るなどして、ピカピカに仕上げる
のですが、それを残したままにし
素朴な風合いで仕上げる
これを黒造りって言うんです。
“わびさび”を重要視する
日本ならではの美的感覚ですな。

で、今回その“黒造り”で
一本仕上げてみようと
思い立ったのですが、
焼入れを終えた段階で問題が。
師匠が「鉛を使わんほうが
いいっちゃないや」と
忠告してくれたんですが
「今の僕の技術では直火の
焼入れなんて難しいですよ」
(焼きムラができる)
と、聞く耳持たず決行。
すると、水で冷却した後に気付く。
そうか、鉛で焼入れをすると
表面に鉛がいっぱい
付着するのであった。
そりゃあ、“わびさび”なんて通り越し
どちらかというと“きたない”感覚に
近いものになってしまったのです(涙)

ははは、と笑う師匠。
「もっと、具体的に注意してくださいよ」
と涙目の僕に
「真鍮ブラシで磨けばいいちゃないや」
と師匠。「真鍮ブラシ?」
ということで「グッデイ」で購入してきた
のがコレ(下の写真)。
10620-3.JPG
真鍮は柔らかいので、鉄を傷つけずに
表面の鉛を落とすことができるのです。

で、なんとか見れる状態まで
もっていくことができました。
10620-4.JPG 10620-5.JPG
フー、ひとつの鋏を仕上げるのに
何度もこのような困難を乗り越えなきゃ
いけないんだよなあ。
ここで諦めたら、ただの鉄クズ。
ほんと鍛冶作業では人生を学びます。
10620-6.JPG 10620-7.JPG
さて、次回はいよいよ仕上げです。
この“黒造り”見た目だけでなく
機能的な部分もあるんですよ。
その説明はまた次回。
お楽しみに〜(してない?)。
皆さん、ついてきてね!


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posted by アサケン at 14:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍛冶修業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする