2011年07月16日

ユニバーサルデザイン鋏('11年7月・5寸・1日目)

さて、おなじみの週末鍛冶修業。
今回造ろうと思っている鋏は
言葉で説明するとこんな感じ。
普通の鋏は手動で、
開いて閉じて、開いて閉じて
という運動を繰り返し、
物を切っていくわけですが、
その開いての運動を自動で
してくれる鋏を造れないかと。
要するに人間は閉じる動力だけで
物を切っていくことができる。
まあ、コチラで紹介されているような
剪定鋏などではよくある
仕組みなんですけどね。
それを、紙切り、布切り、
文房具系の鋏に採用できんかと。

で、師匠に相談しつつ
形作っていってみたのだが、
問題となったのはまず
目釘の穴の位置。
普段よりかなりアシ側にあいていないと
アシに付けるバネでは
大きく開かんやろうと。
しかも、刃の位置も普段より
後ろに持っていくことで、
広く開くことになるであろうと。
分かるかなあ、分かんねえだろうなあ。
10716-1.JPG 10716-2.JPG
ということで、1日目
鍛接、鍛造を終え、
ちょっと削ってみたのがこれ。
まだ削り足りなかったりした部分や
目釘の穴の位置をマジックで
書き足してみた。
10716-3.JPG 10716-4.JPG
この下書きをもとに2日目は
さらに荒削りをし、焼き入れまで
もっていく予定。
さて、どうなりますでしょうか。

と、本日の鍛冶道具紹介をば
この1日目の作業
鍛接、鍛造における主役のひとつ。
「金敷(カナシキ)」と申します。
「金床(カナトコ)」とも言うみたいですが。
10716-5.JPG 10716-6.JPG
この上で赤らめた鉄を鎚で叩き
形成する鉄の作業台ですな。
地面に固定されているというか
見えてる部分の倍に近い本体が
地面のなかに埋まっているそう。
それぐらいせんとこの激しい作業には
耐えられないんでしょうねえ。
頭の面が固い鉄・鋼でできており
本体がやわらかい鉄・地金で
できています。よく見ると
頭の面が真っ平でないのがミソで、
この湾曲があることで、
鉄がよく伸びるんですねえ。
分かるかなあ、分かんねえだろうなあ。

これがいわゆる和金敷といわれるもので
西洋金敷と呼ばれるものもあるんだけど
それはまた次の機会にて。
皆さん、ついてきてね〜。


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posted by アサケン at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍛冶修業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする