さて、以前にコチラ↓
http://uinversal.seesaa.net/article/210901215.html
http://uinversal.seesaa.net/article/117731841.html
でも紹介したことがある
「大庭鍛冶工場」なのですが
大庭さんはとってもマメなお方で
それに時々、小学校等で
講演などやられているみたいなので
博多包丁の製作工程がわかるものを
サンプルとして残してあるんですね。
うちの高柳師匠とは大違いです。
高柳師匠は完成作でさえ、
もう3年弱修業している僕でさえ、
あまり見たことがないくらいですから。
自分の手元に残さない
人なんですよねえ。
で、先日、久々に大庭さんちに
遊びに行った際、そのサンプルを
ひとつずつ撮影させて
もらいましたので
以前から撮らしていただいてる
作業風景とともに
博多包丁の製作工程をちょっと
ご紹介させていただきます。
博多包丁がどんな包丁なのかは
以前に紹介したコチラ↓
http://uinversal.seesaa.net/article/117825130.html
の記事をご参照ください。
博多包丁は
割り込みという方法で造られる
両刃の菜切り包丁でして。
まず1.2cm×3cm×9cmほどの
地金(生鉄、軟鉄ともいう)の
前半分の真ん中を割ります。
この割る作業には
向こう槌といわれる人員に手伝って
もらうこともあれば
ひとりで割ることもあり。
ここでは向こう槌を弟子が
手伝っている作業風景を
掲載しております。
で、下の写真、小さい鉄辺が
鋼(いわゆる炭素鋼)です。
鋼は日立金属のブランド
「ヤスキハガネ」の黄紙
といわれるものを使用してます。
ヤスキハガネはその炭素量や
化学成分の違いによって
青紙・白紙・黄紙(固い順)
と分かれておりまして。また、さらに
それぞれの色から1号や2号と
分かれているのですが、
それはまた次の機会に説明します。
で、地金の亀裂に
鍛接剤(鉄蝋、フラックスともいう)
の「ほう砂」をふりかけ、鋼をはめこみ
1000度ほどで熱し、一挙に
鍛造機(ベルトハンマー)等で
叩き、くっつけます。
その後、何度も何度も、
金敷の上で鎚を振り下ろし、
徐々に包丁の形へと近づけます。
この鎚さばきが見ていて
一番面白いとこですかねえ。
ほんとマジックでも
見ているかのように
見事に形が出来ていきますんで。
ところで、この大庭さんの金敷
先日、紹介した高柳さんの金敷↓
http://uinversal.seesaa.net/article/215103789.html
と見比べると、その違いが
大きく見て取れます。
大場さんは2つの金敷を併用してて
手前にあるのが和金敷、
向こうにあるのが洋金敷ですな。
やっぱ包丁や鍬を造る大庭さん
なので金敷も高柳さんのものより
大きいんですな。
さて、ここで、次第に
包丁の形が出来上がっていく
様子を見ながら、またちょっと
地金と鋼の話をば。
鋼は炭素量が2〜0.04%の鉄
のことをいい。
ある程度の温度まで赤く焼いて
それから水や油の中で
急冷すると組織が変化して
大変硬くなる性質があるんですな。
しかし、硬ければいいってもんじゃなく
カッチカチに焼きの入った鋼は
今度は衝撃に弱く、欠けやすい
といった特徴も持つんですね。
そこで、今度はある程度まで
温めなおしてやると、また
粘りを持つようになるんですな。
これを“焼き戻し”の作業といいます
さらに、柔らかい鉄=地金
を合わせることで衝撃に強い
刃物を造っているんです。
地金は炭素量が0.03%以下の鉄
のことをいいます。
この鉄は何度で温めても急冷しても
焼きは入らないんですな。
これが、西洋にはない
日本の刃物の特徴的構造でして、
日本刀も基本的には
同様の構造ってことになります。
これを、科学もまだ何も無い
大昔にですよ。経験と勘だけで、
形作っていったっていうんだから
驚きなんですよねえ。
で、大庭さんとこでは
焼き入れはコークスの直火を使い
菜種油で冷却して行います。
焼き戻しはグラインダーで削るときの
摩擦熱でおこなってるみたい。
あとは砥石で研ぎ
柄をはめ、焼印を入れて
できあがり。
こうやって、文字におとすと
簡単ですけど、実際やってみると
文字では表わせない、
コツやタイミングとかあって
ほんと奥が深いんですよ
鍛冶作業は。
まだまだ、ここでは
書ききれなかったことも沢山ありまして
それはまた、これから、いろんな
場面にて紹介させていただきます。
皆さん、ついてきてね〜。
クリックしていただけると励みになります。さて何位かな〜。
↓↓↓
http://uinversal.seesaa.net/article/210901215.html
http://uinversal.seesaa.net/article/117731841.html
でも紹介したことがある
「大庭鍛冶工場」なのですが
大庭さんはとってもマメなお方で
それに時々、小学校等で
講演などやられているみたいなので
博多包丁の製作工程がわかるものを
サンプルとして残してあるんですね。
うちの高柳師匠とは大違いです。
高柳師匠は完成作でさえ、
もう3年弱修業している僕でさえ、
あまり見たことがないくらいですから。
自分の手元に残さない
人なんですよねえ。
で、先日、久々に大庭さんちに
遊びに行った際、そのサンプルを
ひとつずつ撮影させて
もらいましたので
以前から撮らしていただいてる
作業風景とともに
博多包丁の製作工程をちょっと
ご紹介させていただきます。
博多包丁がどんな包丁なのかは
以前に紹介したコチラ↓
http://uinversal.seesaa.net/article/117825130.html
の記事をご参照ください。
博多包丁は
割り込みという方法で造られる
両刃の菜切り包丁でして。
まず1.2cm×3cm×9cmほどの
地金(生鉄、軟鉄ともいう)の
前半分の真ん中を割ります。
この割る作業には
向こう槌といわれる人員に手伝って
もらうこともあれば
ひとりで割ることもあり。
ここでは向こう槌を弟子が
手伝っている作業風景を
掲載しております。
で、下の写真、小さい鉄辺が
鋼(いわゆる炭素鋼)です。
鋼は日立金属のブランド
「ヤスキハガネ」の黄紙
といわれるものを使用してます。
ヤスキハガネはその炭素量や
化学成分の違いによって
青紙・白紙・黄紙(固い順)
と分かれておりまして。また、さらに
それぞれの色から1号や2号と
分かれているのですが、
それはまた次の機会に説明します。
で、地金の亀裂に
鍛接剤(鉄蝋、フラックスともいう)
の「ほう砂」をふりかけ、鋼をはめこみ
1000度ほどで熱し、一挙に
鍛造機(ベルトハンマー)等で
叩き、くっつけます。
その後、何度も何度も、
金敷の上で鎚を振り下ろし、
徐々に包丁の形へと近づけます。
この鎚さばきが見ていて
一番面白いとこですかねえ。
ほんとマジックでも
見ているかのように
見事に形が出来ていきますんで。
ところで、この大庭さんの金敷
先日、紹介した高柳さんの金敷↓
http://uinversal.seesaa.net/article/215103789.html
と見比べると、その違いが
大きく見て取れます。
大場さんは2つの金敷を併用してて
手前にあるのが和金敷、
向こうにあるのが洋金敷ですな。
やっぱ包丁や鍬を造る大庭さん
なので金敷も高柳さんのものより
大きいんですな。
さて、ここで、次第に
包丁の形が出来上がっていく
様子を見ながら、またちょっと
地金と鋼の話をば。
鋼は炭素量が2〜0.04%の鉄
のことをいい。
ある程度の温度まで赤く焼いて
それから水や油の中で
急冷すると組織が変化して
大変硬くなる性質があるんですな。
しかし、硬ければいいってもんじゃなく
カッチカチに焼きの入った鋼は
今度は衝撃に弱く、欠けやすい
といった特徴も持つんですね。
そこで、今度はある程度まで
温めなおしてやると、また
粘りを持つようになるんですな。
これを“焼き戻し”の作業といいます
さらに、柔らかい鉄=地金
を合わせることで衝撃に強い
刃物を造っているんです。
地金は炭素量が0.03%以下の鉄
のことをいいます。
この鉄は何度で温めても急冷しても
焼きは入らないんですな。
これが、西洋にはない
日本の刃物の特徴的構造でして、
日本刀も基本的には
同様の構造ってことになります。
これを、科学もまだ何も無い
大昔にですよ。経験と勘だけで、
形作っていったっていうんだから
驚きなんですよねえ。
で、大庭さんとこでは
焼き入れはコークスの直火を使い
菜種油で冷却して行います。
焼き戻しはグラインダーで削るときの
摩擦熱でおこなってるみたい。
あとは砥石で研ぎ
柄をはめ、焼印を入れて
できあがり。
こうやって、文字におとすと
簡単ですけど、実際やってみると
文字では表わせない、
コツやタイミングとかあって
ほんと奥が深いんですよ
鍛冶作業は。
まだまだ、ここでは
書ききれなかったことも沢山ありまして
それはまた、これから、いろんな
場面にて紹介させていただきます。
皆さん、ついてきてね〜。
クリックしていただけると励みになります。さて何位かな〜。
↓↓↓