2006年01月01日

はじめに

「とにかく1歩を踏み出そう」という想いだけで、
このブログを始めてもう1年近くになりますが、
ここへきてようやく方向性というか、
目指すビジョンのようなものが見えてきたような気がしています。
そこで、今、僕のこのブログに対する想いを
しっかり記しておこうと思いまして、
本日、このような記事をアップさせていただいた次第です。

まずは僕の自己紹介的な部分から……。
福岡の出版社を経て'05よりフリーの編集者として
細々と生計を立てている者であります。
今から約10年前、原付バイクでの通勤途中に、
3tトラックと接触事故を起こし、
半年におよぶ入院生活の末、右下肢切断という障害を負いました。
現在、義足で生活している者であります。

事故から1年後、
なんとか元いた会社に職場復帰することが出来ました。
それからしばらくはとにかく必至で、
「1本足だからしょうがない」なんて言わせない、
「2本足には負けたくない」という想いばかりでした。
そして、ようやく自分に自信がつき始めた
事故から3年ほどたった頃でしょうか、
「僕にしか出来ない事ってあるんじゃないかと」
と思い始めました。

障害者、情報伝達、ユニバーサルデザイン、街、人、グルメ……
そんなキーワードがリンクする様々な試みを経て、
このブログに辿り着きました。
身体に不自由を感じている人が、
このブログをきっかけに少しでも街に出やすくなればと想っています。
といってもタイトルはユニバーサルデザインですから、
身体が不自由な方専用とも考えておりません。
なに不自由ない健康な身体をお持ちの方でも、
面白く読んでもらえるようにとの想いも込めて作っています。

ユニバーサルデザインをもっと気軽にとらえてほしくて、
実際にはありもしない“1〜100ユニバ”なんて点数制で、
あらゆるもののユニバ・レベルを鑑定しています。
僕が独断で総合的に判断し、つけた点数ですので、
あくまでも目安にして頂ければ幸いです。
飲食店を例にあげて説明しますと
91〜100ユニバ:車椅子でも大丈夫
81〜90ユニバ:杖を使うくらいの人にはおすすめ
71〜80ユニバ:ちょっと足が不自由なくらいの人にはおすすめ
61〜70ユニバ:健常者でも疲れている人にはおすすめ
51〜60ユニバ:健常者であれば大丈夫
41〜50ユニバ:健常者でも元気がないと辛い
31〜40ユニバ:健常者でも元気と探求心がないと辛い
21〜30ユニバ:身体が不自由な人は絶対無理
11〜20ユニバ:健常者でも辛い
0〜10ユニバ:笑える
てな感じでしょうか。

ユニバ・レベルとは物理的な
ユニバーサルデザインという視点のみによる点数です。
料理の味やその店が持つ魅力とは一切関係がありません。
まだユニバ・レベルが低いからといって
その店を糾弾しようという気も毛頭ございません。
人間、使いにくいものに愛着を感じる事ってあると思いますし、
使いづらいものを使えるようになった時の喜びもあると思います。
世の中を全てユニバーサルデザインにすることなんて無理ですし、
たとえ出来たとしてもそれが人間にとって幸せなことかというと
そうではないと思っています。

僕なりに考えたユニバ・チェックポイントは以下のとおりです。
これまた飲食店を例にあげて説明しますと
入口の段差:歩道とビル間にある段差までcm単位にて記載
フロアーの状況:空間の余裕、床の段差もcm単位にて記載
席の状況:車椅子でもアプローチできそうな机や椅子であるか?
駐車場情報:店専用だけでなくコインPの情報も記載
トイレ情報:必ず写真付きで説明
といったところを基本とし、
あとは物件の状況によって良い点、悪い点を記載しています。

このブログはぜんぜん完璧なものではありません。
僕は義足使用者ですし、友達も車椅子使用者が多いので、
肢体不自由者の情報に偏っています。
目の不自由な方や耳の不自由な方がどんなことに困っているのか
正直申しまして僕にはわかりません。
また高齢者の方がどんなことに不自由を感じているのかも、
完璧には把握していないと思います。
もし「こんなところも見てきて欲しい」
などのご意見ございましたら教えてください。
あと、僕は喰い意地が張っている人間なんで、
飲食店の情報にかなり偏っています。
それと、僕はカミサンと娘1人という家族を持っていますので、
休日は親子情報に偏っています。
お許しください。

最後にこのブログ最大の特徴であるトイレの写真掲載について。
中には不快に感じていらっしゃる方もいらっしゃるとは思います。
しかし、トイレ情報は身体の不自由な方にとって
外出時の最大の不安事項なんです。
トイレがどのような状況なのかを前もって把握しているだけで
心理的な苦痛が随分減少します。
世の中にはいろんな障害を持たれた方がいらっしゃいますので、
言葉のみによる説明ではなかなか多くの人には伝わりません。
どうかトイレの写真を掲載することに
ご理解いただければ幸いです。
僕はそもそも排泄行為を汚いものとは思っておりません。
食べること同様、生命にとって大切な行為であるはずです。
しかし、当然それは理想論……わかっています。
それでも障害を持たれた方のトイレをめぐる悲劇を
1つでも多く消していきたいんです。
せめて、洋式便器であれば蓋は必ず閉めるようにしています。
写真も少し小さいサイズで掲載しています。
(クリックすれば大きくなりますので必要な方はご利用ください)
何卒ご了承ください。

それでは、まだまだ不十分なものではありますが、
千里之行 始于足下、長い目で見てやっていただければ幸いです。
posted by アサケン at 02:51| Comment(23) | TrackBack(1) | このブログについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
LOVE&HAPPY 2006
アサケンさん
あけましておめでとうございます!

アサケンさんのありのままの
気持ちや想いを聴かせていただけて
嬉しいです☆
私は、アサケンさんの色んなご苦労を
分かるなんてことは
なかなか出来ないのかもしれないですが
今のアサケンさんの
このブログが大好きです!!

食べたら消化し、それを出すという行為は
必要なことであって自然なことですね^^
これからも
今までの情報満載意のブログを楽しみに
しています!!
かなり参考にさせていただいてるんですよ^^

今年もアサケンさんにとって
美味しい1年になりますように♪
Posted by HAPPY魂ハワイ at 2006年01月02日 22:01
どもども、ハワイさん。
あけましておめでとうございます。
温かい言葉、ありがとうございます。
勇気がわいてきました。
足を切断する手術の前の晩を今でも思い出します。
友人からもらった寄せ書きの色紙を何度も読み返していた自分がいました。
ぎりぎりの淵に立たされたとき、
人間にとって本当に力になるものは、
お金や最新技術とかではありませんでした。
あの晩の僕にとってはなによりも“温かい言葉”でした。
決してセンチな人間ではなかったのに、
笑っちゃいます。
今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
Posted by アサケン at 2006年01月04日 22:59
アサケンさん、ありがとう。
アサケンさんは、かけがえのないことを
体感されたんですね。
お金でも技術でもなく
温かい言葉。。。
アサケンさんから出されたこの言葉。
深く伝わってきました。

こちらこそ、よろしくお願いします☆
Posted by HAPPY魂ハワイ at 2006年01月05日 21:21
アサケンさん 今年も宜しくです!
宮崎から応援してますよー!
Posted by ヒダケン at 2006年01月06日 15:51
どもども、ヒダケンさん。
あけましておめでとうございます。
今年の正月は宮崎(延岡)には帰省しませんでした。
福岡にある兄のアパートにて両親とともに静かに過ごしたんですよ。
今年もこのブログ、ちょくちょく見てやってください。
ではでは。
Posted by アサケン at 2006年01月06日 20:23
遅くなりましたが、あけおめ!です。“はじめに”がアップされたその日から見ていたのですが、なんか、うかつにコメント出来ずにダラダラ今日まで来てしまいました。いろいろ知っているだけにアサケンさんの“決意表明”を重たく受け止めてしまいました。アサケンさんにそんなつもりなんてないのは重々わかっていいたのですが・・・でも、何だか面と向かっては話してくれない部分もあって、嬉しかったような、いろんな事を思い出して複雑な気分です。今年もよろしくお願いします。今年は僕もブログ立上げてみようかな〜って考えています。“逆転夫婦♂日記”ってのはどうでしょう?(笑)
Posted by つねさん at 2006年01月19日 03:29
どもども、つねさん。賀正。
「はじめに」書いたの正月だったから、ついつい盛り上がっちゃって、熱くなっちゃいました(笑)。
今年もこのブログからいろんな繋がりができればいいなあと思っています。今年もドシドシ書き込んでやってください。つねさん意外と書き込んでくれるんで嬉しいっすよ。
“逆転夫婦♂日記”がんばってください。楽しみにしちょります。
ではでは。
Posted by アサケン at 2006年01月19日 10:40
はじめまして。
工房まるさんのサイトからやってきました。
「ユニバーサルデザイン」というのが、
気になって伺いました。

楽しく拝見させてもらいました。
同じ年だったのもあって、
親近感も湧きまして。
ユニバーサルデザインもわかってるようで
わかっていないようだったので、
すごく近い存在のものだというのが
わかりました。

私もブログやってますが、
明確なビジョンもなく、
だらだらとやってます。

また伺います。
Posted by seriplus at 2006年03月24日 11:56
こんにちは、お元気ですか?
大学の境研で一緒だったくろだです。
先日なぜか学生時代の面々が夢にでてきましてね。
かりや君とあさけんさんが焼酎片手にギターをポロロ〜ンとやけに楽しくやってました。

その夢が気になって、それでお名前で検索して
このブログにたどり着きました。

ブログも大変興味深く拝見しました。
頑張っていらっしゃるんですね。
これからもちょくちょく覗かせてもらいます。

僕は今は千葉に住んでいてあまり福岡や延岡に帰る機会
も少ないですが今年のGWは帰るつもりです。

今日は延岡学園が春の選抜高校野球に出ていますね。
応援してたけど、負けちゃいました。。。

また遊びにきます。
ブログ頑張ってください。
Posted by くろだ まさと at 2006年03月27日 16:52
はじめまして、seriplusさん。
この度は訪れていただいてありがとうございます。
seriplusさんのブログも拝見させていただきました。
特にボランティアに関する記述は興味津々読ませていただきました。
今後も情報交換などさせていただけましたら幸いです。
宜しくお願いいたします。


こんにちは、くろださん!
しっかし恐ろしくお久し振りです。
かれこれ16〜17年ぶりでしょうか。
思い出してくれてありがとうございます。
こんなことがあるからブログやってて正解だったなあと改めて思いますよ。
インターネットでない限りくろださんとはもう一生会えなかったでしょうね。
いやいや、僕はなんとか生きております。
工業化学なんぞとは無縁の世界で働いておりますが、
くろださんはしっかり境研の経験を生かしたお仕事されているんですよね。
千葉ですか〜遠いなあ。
福岡にお立ちよりの際にはぜひご連絡ください。
ではでは。
Posted by アサケン at 2006年03月27日 22:29
こんにちは。私のブログも訪問して
いただいたみたいで、ありがとうございます!
ボランティアに関しては、なかなか
更新できておらず、お恥ずかしい内容なんですが。。。

また伺いますね♪
Posted by seriplus at 2006年03月31日 10:25
初めまして。福岡在住のおばちゃんです。

おばちゃんなので、少し前は乳児付きで行動しておりました。
ほんのちょっとの段差や溝がないだけで助かるのに、と思う場面がよくありました。
もちろんトイレは重大問題でした。(乳児体験ごときで、わかったような言い方をしてすみません)
福岡のブログはたくさんありますが、ここでしか読めない情報を興味深く拝見しています。

ところで、こちらはリンクフリーでよろしかったでしょうか。
拙宅からリンクをはらせていただいてます。
不都合等ありましたら、教えていただければ幸いです。
「福岡アンテナ」
http://www012.upp.so-net.ne.jp/fran/
Posted by フラン at 2006年04月06日 13:27
はじめまして、フランさん。
リンクぜんぜんOKです。
1人でも多くの人にこの情報を知って頂けるとうれしかです。
「福岡アンテナ」も拝見させていただきました。
なかなか充実したHPですね。
福岡を少しでも住みいい街にするためにお互いがんばりましょう。
ではでは。
Posted by アサケン at 2006年04月06日 21:54
はじめまして。
ブログの名前に惹かれて、来てしまいました。
私も、自分自身が関節リウマチを発症したことをきっかけに「鹿児島のトイレ情報」http://okkie.hp.infoseek.co.jp/というサイトを運営しています。
やっぱり、トイレが一番気になるし重要だし、不自由していない人に一番「ここで困るんだ!」って叫びたいところですよね。

これからは、トイレだけでなくトイレの外のバリアフリー情報もちょっとずつ扱っていこうかなぁ、と思っているところですが、県内全域を手をつけてしまったため、大変なことになりそうです・・・(^^;

もしよろしければ、うちのサイトからこちらにリンクさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

1年に1回か2年に1回くらい、彼氏とのデートで福岡に行くことがあります(^^;いつもありきたりな場所にしか行かないので(マリノアとか、キャナルとか・・・)、飲食店は特に参考にさせていただきますね(^^)。

お互い気張りすぎず楽しみながら情報収集頑張りましょう!
Posted by おっきぃ at 2006年04月15日 23:02
はじめまして、おっきいさん。
リンクOKです。宜しくお願い致します。
しっかし、HP「鹿児島のトイレ情報」もすっごい情報量ですね。
ここまでされるのは結構大変だったでしょうね。
でも、大変なんですが、苦痛じゃないんですよね。僕もそうです。
ほんと楽しみながらやりましょうね。
ではでは。
Posted by アサケン at 2006年04月18日 21:05
はじめまして。
赤ちゃん(子ども)とのおでかけ情報などのページを開設している、みずと申します。
上にいらっしゃるフランさんのサイトでこちらを知って、ちょくちょくのぞきに来ていました。

内容がとても詳しくて、写真も「ここが知りたい」と思うようなところをばっちり載せてあるので、毎回すごいなあと思っていました。

今回思い切って(^-^)、リンクさせていただいたので、そのご報告の初書き込みです。
事後報告ですが、ご了承いただけると嬉しいです。

赤ちゃんおでかけマップin福岡
http://www.bluestskies.net/fukuoka/index.html
Posted by みず at 2006年05月26日 17:31
はじめまして、みずさん。
ご返事遅くなりまして申し訳ございません。
リンクのご報告、ありがとうございます。
こんなブログでよろしければ、ばんばんリンク貼っちゃってください。
もっともっと福岡が赤ちゃんとおでかけできるような、
ユニバーサルな街になることを願っております。
Posted by アサケン at 2006年06月06日 14:36
時々お邪魔させていただいております。
福岡市在住のフミオと申します。
本日夕方KBCラジオの「人日記」と言う番組を偶然聞きました。
ブログはたまにトピックスのみ見せていただいてたんですが、
まさかハンディキャップのある方とは思いもしませんでした。
なんと言えばいいかわかりませんが、何かメッセージを送りたくって・・・。
軽薄な言葉は言えませんが、これからも更新楽しみにしています。

ちなみにボクが勤める町、篠栗の公衆トイレはユニバーサル度が
かなり高いですよ。篠栗小学校南側にある公衆トイレはいつも清潔で広大な駐車場もあります。
Posted by フミオ at 2006年06月14日 00:48
はじめまして、フミオさん。
といっても、はじめてのような気がしないのですが。
実は、僕もフミオさんのブログ時々拝見させていただいておりました。
フミオさんもいろんなもの食べていらっしゃいますよね。
今度、フミオさんのおすすめベスト3などございましたら聞かせてください。
すっごく興味あるなあ。

篠栗の公衆トイレですか、貴重な情報もありがとうございます。

ホント僕はこの右足を持ててラッキーだったなあと思います。
こうしていろんな方にこの右足があったおかげて知り合えたんですから。
それに自宅の風呂でも右足は伸ばしまくれるし、
足の爪は1本切らんで済むし、
いいことばっかりですよ。ハハハハ。
ではでは。
Posted by アサケン at 2006年06月16日 19:59
はじめまして。とても素晴らしいHPサイトを見つけることができ感激です〜
どうして今までこのページにたどり着かなかったのだろう・・・と思いながら、拝見しています。
願わくばお互いに相互関係を築き、こちらで紹介されている優しいお店を、当会のブログでも見ていただけるようナビゲートしたいのですが、お許しいただけるでしょうか? ご検討くださいませ。
Posted by ふらっと at 2008年09月05日 16:45
はじめまして、ふらっとさん。
いやはや、ふらっとさんのHPも充実していますね〜、恐れいりました。
こちらからは早速リンクを貼らせて頂きましたが、
そちらからは単なるリンクではなさそうですよね。
具体的にどいうことをされるんでしょう?
詳しくはコチラ→asaken329@yahoo.co.jp のほうにでもメールいただけますと助かります。
ではでは。
Posted by アサケン at 2008年09月06日 16:43
 はじめまして。福岡市で小学校の教師をしております。

 最新記事にご挨拶のコメントをさせていただいたのですが、こちらにコメントをすればよかったなと思い、改めてご挨拶させていただきました。

 国語での授業をきっかけに「ユニバーサルデザイン」に関心をもっておりました。

 福岡市をよい街にするために精力的に記事をかいていらっしゃるアサケンさん。
 私のブログでもこれからはユニバーサルデザインの視点を盛り込んでいきたいなと思っております。

 今後ともどうぞよろしく御願いいたします。
 
Posted by Earl at 2008年12月25日 12:30
はじめまして、Eartさん。
学校と病院のユニバーサルデザインはほんと最前線であってほしいと思います。
でも悲しいかな、ホテルやショッピングビルに比べると……。
古い建物も多いですし、改装するとなるとお金もかかりますしね。
そこで、すぐできることはソフトのユニバーサルデザイン化と申しましょうか、
これが結局は最も重要なことであったりするんですよね。
子供たちがユニバーサルデザインをあたりまえのこととして捉えてくれる未来を期待します。
Posted by アサケン at 2008年12月27日 11:32
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Excerpt:  福岡の編集者が開いている、「福岡ユニバーサルデザイン鑑定所」というブログがあり
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Tracked: 2006-03-14 12:34