2011年01月05日

LRT

これ正月に読んだ本である。
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LRTとはLignt Rail Tramsit
(ライト・レール・トランジット)の略。
ヨーロッパではトラムという名でも
親しまれている公共交通手段です。
いわゆる路面電車のことですな。
が、あの懐かしいチンチン電車とは
似て否なるもの。
そのスピードやパワー、
そして、なんといっても
デザインが圧倒的に違います。

今、このLRTが欧米を中心に世界各地で
次々と復活していっているのです。
それはなぜか。
ちょっと、まとめてみましたので
以下を見てみてください。

●都市環境に優しい
今、地球は温暖化問題で
二酸化炭素排出量削減が
叫ばれています。
自動車の排気ガスは二酸化炭素排出の
主要な排出源です。

フランスのパリでは温室効果ガスを
削減するために2020年までに
自動車交通量を40%減らすことを目標に
トラム導入の整備を行いました。

また世界各地の多くのLRTは
線路の部分が芝生で緑化されており
街路の公園化も果たしています。

フランスのニースでは
沿線整備にあわせて植樹された木は
3000本にもなったといいます。


●バリアフリーな車両
最新鋭のLRTでは車椅子の方でも
スムーズに乗り降りができるように
床面をできる限り低く平らにした
低床式車両が採用されています。

フランスのグルノーブルでは
誰でも自由に乗れる乗り物として
障害者団体の意見が優先され
世界で最も早い1987年に
低床車両を走らせることを
実現させました。


●建設費が安い
LRTは地下鉄の20分の1の費用で
建設できると言われています。

ドイツのミュンヘンでは
一時期、路面電車を廃止し
地下鉄の建設が進められましたが
その後、路面電車の再評価が高まると
費用面の優位性ともあわせて
全廃する方針がくつがえり
一転してLRT路線の延長が決定しました。

スペインのマドリットでは
曲線半径を小さくとれ
柔軟に路線を計画できることから
地下鉄の延伸ではなくLRTを選択した。
という実例もあります。


●郊外型となった都市部の活性化
フランスのマルセイユでは
無秩序な都市計画が
自動車への依存性を高め
都市の郊外化により
メインストリートは
賑やかさをなくしていました。
その解決策としてトラムが採用され
都心部の活性化を成功させました。


●正確な時間、単純な路線
バスはどこでも走れるという
利点がある一方で、複雑化した路線は
分かりにくいものになってしまっています。
しかし、TRLは一目瞭然
レールのある場所しか行けないことが逆に
安心感と分かりやすさを生んでいます。

また交通渋滞にも左右されないことから
発着時間もバスに比べて安定しています。

スイスのチューリッヒでは
LRT優先信号が設けられているだけでなく
電停すぐ横に交差点がある場合には、
単に電車が来るというタイミングではなく
ちょうど電車の扉が閉まるタイミングで
赤になるといった凝りようなのです。


●優れたデザイン性
斬新なデザインの車体は街と一体化し、
ランドマークを形成しています。

伝統的な建物と洗練された近代的な
モニュメントとの調和も目指し
フランスのボルドーでは
景観に配慮した架線なしのトラムも
登場しています。

フランスのモンペリエでは
一流デザイナーを起用した
斬新な車両デザインを施すことで
地域に活力を与えることも
目的としています。

オーストリアのウイーンでは
あのポルシェがデザインした
低床車「ウルフ」が登場するほどです。

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といったところが、LRTが今、
欧米で次々と復活している
理由でしょうか。
次に、そんなLRTを復活させるための
ポイントもいくつか挙げだしときます。


●パーク&ライドの整備
自家用車依存が加速し
街は渋滞の嵐。
そんな問題を解消するため
自宅からは自家用車で出発しても
郊外の駐車場に停車させ
公共交通機関で
都心部の目的地に向かえるよう
考えられたシステムを
パーク&ライドと言います。

イギリスのノッティンガムでは
中心部に入る自動車抑制が
LRTプロジェクトの大きな目的といい
パーク&ライド用の駐車場が
終点の2箇所、沿線の5箇所の電停に
3000台分確保されています。

あの自動車レースの街、
フランスのルマンも
郊外停留所に6000台もの
パーク&ライドが完備され
市民の自動車からの移転を促しています。


●安価で分かりやすい運賃費
せっかくLRTを導入しても
運賃が高くては
なかなか自家用車からの移転は
成し遂げられません。
そこで各国では様々な方法で
低運賃を実現させています。
小売売り上げ税の増税や
ガソリンにかかる税金を
公共交通にも利用したり、
公共交通整備のための所得税上乗せ分
による税金でまかなっていたり、
財源確保は重要なポイントです。

アメリカのサンディエゴでは
ハイウエイ基金の1%を
公共交通改善にあてる法案を制定してから
LRTの導入に取り組んでいます。

またゾーン制を用いた
割安で分かりやすい設定を行う
ことに取り組む国もあれば、
バスなどの他の公共交通との
共通運賃化を推進する国もあります。

ポルトガルのポルトではすべて
ICカードを用いた運賃収受方法を
取り入れています。


●他の交通機関との一体化
よくLRTを導入すると
バスの乗客を奪うという話が聞かれますが、
アメリカのポートランドではLRTの開通で
自家用車の普及で落ち込んでいた
バスの利用客も増加させた
という事例も報告されています。

ドイツのカールスエールでは
路面電車が鉄道線に乗り入れ
直通運転を図るトラム・トレインなる
もので利便性を高めています。


●市民への説明
もちろん、こんな大計画
市民の理解なくして
うまくいくはずがありません。

カナダのカルガリーでは
事前の説明、パンフレットや
ニュースレターの配布
ホットラインの設置、
インフォメーションの開設、
さらには工事現場への
無料ガイドツアーを幾度も行い
全力で市民協力を仰いだとのこと。

フランスのマルセイユでは
100回を越す住民とのミーティングが
行われたとのこと。

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いかがでしょう。
路面電車はかつて福岡の街でも
廃止という歴史を辿った
公共交通手段ではありますが。
LRTとなり天神に復活させてみては
そして、
天神をトランジットモール化してみては
と思うのです。

トランジットモールとは
自家用自動車などの通行を制限する
一方で公共交通の利便性を高め
歩行者中心のまちづくりを試みる
という施策のひとつです。

車道を狭め、歩道を広くとり
子ども連れや、高齢者が安心して
歩けるような天神にしたい。
歩道沿いには自転車専用道も確保し
自動車の排気ガスもない、
深呼吸できるような天神にしたい。

この次世代の都市交通機関を
福岡にも、と思うのは私だけでしょうか?
いや、ネットでちょっと検索してみたところ
いらっしゃいました。

天神のトランジットモール化計画
の必要性はコチラ↓の方や
http://www.nishitetsu.co.jp/n_news/backnumber/n0310/talk_main.htm
天神にTRL導入の
有効性はコチラ↓の方などが
http://www.fk-shinbun.co.jp/matsubadue/2010/12/post-4.html
語っておられました。

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LRT。
今年の僕の活動目標にしようかな
と思う、年明けだったのですが。
さて、いかがなりますでしょうか。
こうご期待!

「LRT」鑑定結果:100ユニバにしたい!

追伸
まだまだ、自分の資料的意味合のもので
かなり荒削りなまとめ方だったために
多少、読み辛い面もありましたでしょう
ことをお許しください。


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posted by アサケン at 02:14| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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