2013年09月18日

博多鋏('13年6月製作開始・6寸 その2)

さて、週末鍛冶修業。
前回からの続きです。↓
http://uinversal.seesaa.net/article/370492123.html
今回は「焼入れ(ヤキイレ)」
「本研ぎ(ホントギ)」
(まで終えた段階が下の写真)
30916-1.jpg 30916-2.jpg 30916-3.jpg 30916-4.jpg
その後、「研磨(ケンマ)」
「足曲げ(アシマゲ)」「カシメ」
と終え、ついに完成した
6寸の鋏が下写真左側のもの。
30916-5.jpg
上右側の鋏は、以前製作し
コチラ↓で紹介したことのある
http://uinversal.seesaa.net/article/202480662.html
5.5寸の鋏で、これと比較すると
その大きさの違いが
分かってもらえるかなあ。

いや〜、ずっと失敗が続いていた
博多鋏の最大寸法6寸の鋏
ひとつ大きな壁を
乗り越えることができました(号泣)

以前に製作した5.5寸の鋏
と比べると、凸凹していた表面も
すいぶんと滑らかになり
研磨技術も上達していることが
分かっていただけることでしょう。
(いや、ん〜、この写真じゃあ
ちと分かりにくいかなあ)

ところが、今回の製作。
これで、終わりじゃないんです。
さらに、一歩踏み込んだ世界の
修業をすることになりました。

まだまだ師匠の鋏と比べると
穂(ホ)の回転操作時、
穂と穂が擦り合う滑らかさが
あきらかに違うんです。

その違いを師匠に尋ねたところ
「一度、カシメを外してみい。
そしたらアイの面に
摩擦痕ができとるけん
それをじっと見て、
自分で研究するこっちゃね」
とのこと。どうやら、
このアイの面の作り方は
職人によって様々な形成論があり
その全てが正解といった
幾通りもの方法があるらしい。
30916-6.jpg 30916-7.jpg
「ここが鋏の一番難しいとこやね」
と目を細める師匠。
ついに私も終わりのない
鋏宇宙の世界に入った……
いや、その入口にようやく
立ったということでしょう(感無量)。

しかし、それから、かれこれ
2週間ほど眺めてはいるのですが…
ど、どうすればいいのか
ぜんぜん分からん!
喜び一瞬、苦労一生。やね。

で、そんな詰まった気分を変える
「鍛冶屋あれこれ」な道具コラムの
話をばさせていただきます
本日は「足曲げ(アシマゲ)」に
必要な道具の話なのですが
「足曲げ」の方法は以前にコチラ↓
http://uinversal.seesaa.net/article/230066069.html
で紹介したとおりです。
この道具は鋏の寸法別に
存在するんですねえ。

で、師匠がいつ死んでも
大丈夫なように(謝笑)
その大きさや形が分かるように
写真で残しておこうと思って
撮影してきたのが下の写真。
30916-8.jpg
上から特大/6寸/5.5寸/5寸/4寸
用となっております。

さらに下の写真は2列とも
左より6寸/5.5寸/5寸/4寸
用となっております。
(写真をクリックすると拡大します)
30916-9.jpg 30916-10.jpg 30916-11.jpg 30916-12.jpg
30916-13.jpg 30916-14.jpg 30916-15.jpg 30916-16.jpg
ん〜、こんなことして
いつか誰かの役にたつのかねえ。
まっ、いいけどね。
posted by アサケン at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 鍛冶修業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック